高倉健さんの一周忌にあたり 往く道は精進にして・・・

千葉県 浄土真宗本願寺派  最誓寺住職 堀田了正 

高倉健さんの一周忌にあたり       11月10日

 皆さまよくご存じの高倉健さん。次回作を準備中に体調を崩され、昨年の11月10日に悪性リンパ腫により83歳の人生を閉じられました。
 11月18日になって、高倉健さんの死が、高倉プロモーションから報道各社にあてたFAXで知らされました。
 FAXに、「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」との、健さんの座右の銘が書かれてありました。
 実は、このお言葉は、浄土真宗の根本聖典である『仏説大無量寿経』に説かれている言葉です。

 阿弥陀如来が、法蔵菩薩であられたとき、あらゆるすべての人々を救うために、48の願い・誓いをたてました。そして、法蔵菩薩は、この願をすべて成就し阿弥陀如来になられたのです。 その時の誓いのお言葉が「我行精進 忍終不悔 がぎょうしょうじん にんじゅうふけ 」 たとえどんな苦難にこの身を沈めようとも、さとりを求めて耐え忍び、決して悔いることはない という「阿弥陀如来のお言葉」であります。
 このお言葉を比叡山の千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)を2度達成された、天台宗大阿闍梨(だいあじゃり)の酒井雄哉(さかい・ゆうさい)さんから贈られて、高倉健さんは過酷な撮影が予想された南極物語に出演する決意をされたといいます。
 仏様のおことばを仰いで生きていく人生。自らの人生を省みる機会を、高倉健さんの生き方からいただきました。                            合掌