台風15号から早一年、今鋸南町は!

浄土真宗本願寺派(西本願寺) 最誓寺住職 堀田了正 2020年9月9日

 

被災一年後の鋸南町「岩井袋地区」今なおブルーシートの家々がみえる。

                           台風15号襲来から早1年

               今なお、ボランティアの方々が、復興にご尽力!

 

 2019年9月9日(月)、「令和元年房総半島台風」と命名された台風15号では、「激甚災害」に認定されるほどの大被害を受けた。

 一年後の2020年9月8日(火)地元紙「房日新聞・展望台」に「台風と内閣」と題して、房日新聞社のO氏が一文を寄せた。

 O氏は、前半で当時の惨状を振り返り、続いて、

 『長い停電でテレビも見られなかった。後で知ることとなるが、この「房州停電」期間中に安倍晋三首相は、内閣改造をしていた。目玉は小泉進次郎氏の環境大臣就任だった。未曾有の被害が出ているのに、なぜ普通に内閣改造し、なぜ普通に新閣僚が記者会見しているのか。』と。そして、『小泉大臣はその後、当地を訪れ、被災者を前に「被災地に寄り添いたい」などと発言した。あれから1年、大臣がこの地に寄り添った形跡は見ていない。』と述べている。

 O氏には、先日九州地方を襲った台風10号の被害が伝えられる中、奇しくも今年の同時期に、自民党の新総裁選出、内閣改造の事態に、一年前の状況をいやが応にも思い出すことになったのだろう。

 私も鮮明に覚えている一年前の光景は、内閣改造が終わったとたん、最誓寺上空(すぐ先が、全国的に有名になった岩井袋地区)に報道ヘリが殺到したことに、違和感を感じた。激甚災害よりも、内閣改造かと。(※政府自民党個人を批判するつもりはない。事実を述べているだけで、民間ボランティアの方々の尊さに胸をうたれる思いがつのるばかりである。)

 今もなお、鋸南町復興に力を尽くしてくれているボランティアの皆さんがいる。関東近県から、勤務が終えてから日帰りで毎週活動してくださっている方々がいる。寝袋持参で車の中で休む方々(最誓寺では、宿泊・お風呂支援)、遠くは広島県から技術系ボランティア(屋根修理)の方々がいる。頭の下がる思いである。その時だけの耳障りのいい発言とは全く縁遠い、ボランティアの方々が今ここにいる。正しく、見返りを求めない布施の行が体現されている。(コロナ禍で、活動が制限される時期がある中で)

 

 地元のボランティア団体についてご紹介します。

 最誓寺住職の長男である堀田了誓が代表となり、ボランティア団体を立ち上げ、鋸南町復興の活動を地元有志・県外のボランティアの方々と展開しています。

 団体名は、「鋸南ロータリークラブ・有志ボランティアグループ」と「鋸南復興アクセラレーション」です。

 これらの活動状況は、NHK「おはよう日本」や「首都圏ネットワーク」、日本テレビ「NEWS ZERO」「ZIP!」等で放送されています。また、「房日新聞」「朝日新聞夕刊社会面」「読売新聞」等でも紹介されていますので、ご覧になられた方もおられるかと思います。

 ボランティアの皆様にエールをお送りください。

 

※写真 台風12号接近の鋸南町:昨年被害を受けたお宅を訪問。(15:00頃)

日本テレビ「Newsゼロ」一年後の鋸南町を取材

     (2020/9/23 23:00~放送)

再放送「zip」(2020/9/24 7:00~)