「御正忌報恩講法要」期間中、第64回全国児童生徒作品展が、御本山(西本願寺)で開催。入賞者が本願寺新報2021(令和3)年1月10日号に掲載されていました。
その内、作文の部で特選作品として、「こんな大人になりたいな」国府台女子学院小学部 3年 中村璃子 さんの作文が紹介されていました。
私は中村璃子さんの作文に触れ、深い感銘と同感の意を持ちました。
近年特に、「言葉」の使われ方が物議を醸し出すことが多発している中、「こんな大人でありたい」と、考えさせられる機会をいただきました。
一人でも多くの大人に読んでいただきたい作品だと思います。
以下、本願寺新報から転載させていただきます。
特選作品 こんな大人になりたいな
国府台女子学院小学部 3年 中村璃子
わたしには大切にしている言葉が あります。それは幼稚園の卒園式で 先生と友達みんなで一緒にや そく した言葉です。
「人の心と体をきずつけない。」
わたしには妹と弟がいますが、た まにケンカをしてしまいます。そん な時、わたしは心ない一言を言って、 妹や弟の心をきずつけ、泣かせてし まうことがあります。
「約束をやぶっちゃった:。」
すぐに、「 ごめんね」とあやまるのですが私の心もしばらくの間、苦 しいままです。わたしは言葉ってと ても大切なんだ、と思いました。
わたしが弟とケンカをした次の 日、通学する電車内で小さい男の子と一緒のお母さんを見かけました。 男の子はちょうどわたしの弟と年が 同じくらいでした。男の子はきげんが悪かったのか、お母さんをたたきながら 、お母さんに悪口を言っていました。その悪口は前日のケンカでわたしが弟に言った言葉と同じでした。それを言われた男の子のお母さんは怒らずに、男の子に、
「お母さん、とっても悲しいな。もし、あなたが言われたらどう思うかな。と、男の子にやさしく話しかけました。それを見ていたわたしは、心が温かくなりましたが、前日の自分のことをはずかしく思いました。
言葉がもっている力はすごいと思います。言葉を話すことは他の動物にはできない、人間だけができることです。そして、人は言葉で気持ちを伝え、相手をよろこばせてたり、ゆう気づけられたり、悲しませたりします。だから、わたいは言葉をもっと大事につかいたいと思いますし、すてきな言葉をつかうことで家族やお友達を悲しませないようしたいと思います。
※色付け太字:筆者